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がんプロとは


北陸・信州地域で⾏う
「がんプロフェッショナル養成プラン」

ご挨拶

「次世代北信がんプロ:⻑野県看護⼤学」コーディネーター
成⼈看護学分野教授柳原清⼦

わが国では、2023年3⽉に「第4期がん対策基本計画」が策定され、同時に第4期の「次世代がんプロフェッショナル養成プラン:通称がんプロ」がスタートしました。この第4期から⻑野県看護⼤学は、⾦沢⼤学を主幹校とする「次世代北信がんプロ」のチームに加わることになりました。
この「次世代北信がんプロ」とは、北陸・信州地域で戦略的がん医療⼈育成システムの構築を⽬指すもので、事業名は「北信のシームレスながん医療を担う⼈材養成」です。北陸地域からは⾦沢⼤学、富⼭⼤学、福井⼤学、⾦沢医科⼤学が参加し、信州地域からは、信州⼤学と⻑野県看護⼤学が集い、計6⼤学のチームとなります。本事業を行う⻑野、富⼭、⽯川、福井の4県は、超少⼦⾼齢化に加え診断から治療・終末期医療まで全医療を居住地域で受けるがん患者が多い特徴があります。次世代北信がんプロは、診断から治療・終末期医療まで質の⾼い医療を地域でシームレスに⾏う多施設・多職種連携医療⼈材を養成することを目的としています。将来さらに少⼦⾼齢化が進む⽇本の地域がん医療の⼈材養成モデルを確⽴することが願いです。

⻑野県看護⼤学が
「次世代北信がんプロ」に参画することの意義と役割

⻑野県看護⼤学が「次世代北信がんプロ」で果たす役割は下記の4つになります。
  1. 次世代のがんプロフェッショナル=がん看護専⾨看護師(がん看護CNS)の⼈材養成と教育カリキュラムの質点検およびカリキュラム開発
  2. ⻑野県をはじめ北陸3県の看護職者のネットワークをつくり、「がん看護の研修プログラム」を作成し、がん看護の研究を含めて、がん医療の看護の質を⾼める
  3. 6⼤学協働での「多職種協働型緩和ケアセミナー」のプログラムを企画運営し、多職種連携演習を通しての、IPW(Interprofessional Work:複数の領域の専⾨職者が各々の. 技術と役割をもとに、共通の⽬標を⽬指す協働のこと)の⼒の醸成をはかる。これは、緩和ケアに主眼をおいたセミナーで、⼩児・AYA世代から⾼齢者までの幅広い年代でのライフサイクルを意識した、緩和ケアを学修する演習となる。
  4. 緩和ケアを中⼼とした、eラーニング教材を開発する

⻑野県看護⼤学の住⺠への貢献

本学は⻑野県の⼤学であり、県のがん対策推進条例の基本理念内の「がん患者等の負担の軽減並びにがん患者の療養⽣活の場の質の維持向上」や、「がん患者等が置かれている状況を理解し、がん患者の負担に対して⼗分に配慮」して、がん患者・家族を⽀援するための多職種で連携協⼒できる⼈材育成を行います。
また本事業内のインテンシブコースの教育プログラムは、⾝体的、精神的、倫理的に課題のあるがん患者(⼩児・AYA世代がん患者、⾼齢がん患者含む)等の①事象を多⾓的に分析する能⼒や、②多様で複雑な問題の解決を⽬指した⽀援⽅法、のスキルを養うことを目的としています。このコースの受講対象者は看護師だけでなく、医師、薬剤師、放射線物理⼠、カウンセラー、メディカルソウシャルワーカー等です。そのため、これらの職種によって実施される多職種連携能⼒の修得と向上は、医療の質、QOLの向上につながります。加えて、⾝体的、精神的、倫理的に課題のあるがん患者等への⽀援能⼒が、がん診療連携拠点病院を中⼼に向上することにより、現在重要視されているACP(Advance Care Planning:意思決定支援)やSDM(Shared decision making:協働的意思決定)の調整力が高まり、強いては県内のがん医療を実施している病院施設へ、これらの調整力アップの波及効果が期待できます。